はじめまして。くまもと健康支援研究所代表の松尾洋です。
私は、熊本大学大学院医学教育部で公衆衛生分野を専攻し、研究に従事していました。大学院生時代の研究を通して、個人の健康づくりを支える環境整備の重要性を学びました。しかし、地域に目を向けると、地域保健活動に従事する医療保健従事者は、様々な原因により、パワーレスな状態に陥っていることに気づきました。
さらに、「健康格差」が社会的課題となり、ヘルスプロモーション活動を公的セクターのみで推進していくことに限界を感じている地域の医療保健従事者の皆さんとの出会いも、私の背中を押しました。
そこで私は、地域住民が選択の主体となりえるようなヘルスケアサービスがこれからの社会に必要であると考え、地域の医療保健従事者をエンパワメントし、地域住民をエンパワメントし、健康なまちづくりを推進する汗をかく事業主体として、大学院３年生の時に「株式会社くまもと健康支援研究所」を設立しました。
私たちは、「すべての人々に健康を」を企業理念とし、各地域で進む少子高齢化が引き起こす地域課題を、ビジネス的手法を用いて解決を図る「社会的企業」です。そして、予防分野で活躍を志す人材をより多く地域で活躍できるように積極的な事業活動を展開することが、各地域が抱える社会的課題を解決することにつながると信じています。そのため、「よき支援者であること」を人材育成の方針として据え、積極的に人材を採用し、健康づくり支援者として育成を行っています。
私たちの専門性は、「見つける・つなげる・支える」健康づくり支援です。個人の課題から地域の課題まで幅広い視点で「見つける」専門性は、多くの医療保健従事者が持ち合わせている専門性です。私たちは、個人や地域の課題を解決するための「やる気スイッチ」を「見つける」専門性を併せ持つことができるように、日々精進しています。
課題を解決するための「やる気スイッチ」を見つけて、必要な支援に「つなげる」専門性、多職種を「つなげる」専門性、関係機関を「つなげる」専門性は、地域包括ケアシステムにおいて重要な専門性です。
そして、1人の健康づくり支援者として個人を「支える」ことはもちろんのこと、地域全体で「支える」環境整備にコミットすることは、私たちの社会的使命です。
私たちは、「見つける・つなげる・支える」健康づくり支援が、地域のインフラとして定着することが、各地域が抱える社会的課題の解決に寄与すると信じています。
私たちが提供しているすべてのサービスに共通することは「元気にしたい」というエンパワメントの精神です。地域住民を「元気にする」ことでサービス対価をいただき、事業を運営しています。中でも、熊本市北区植木町（旧植木町）で実践を行っている自治体、医療保険者、民間事業者、医療機関と連携した高付加価値なヘルスケアサービス創出モデルである医商連携まちづくり「うえきモデル」は、私の起業への想いを集約した事業モデルであり、経済産業省や厚生労働省で評価をいただいております。
少子高齢化の進展、人口減少の中で、保健/予防にかかる期待は大きく、私たちは常にイノベーションを起こし、地域社会に価値提案を行っていかなければなりません。少子高齢化、人口減少が社会的課題である以上、私たちが果たすべき役割は終わりがありません。
